新築注文住宅で、平屋形式のデザインを選ぶ人が増えています。今までは広い床面積を効率的に確保できる二階建てが人気でしたが、近年では少子化の影響もあり、核家族で子供少ない場合、また老後の夫婦二人など、少人数での生活が主となる人が増えてきたことが要因の一つと考えられます。
平屋は、土地面積が二階建てに比べて多少多く必要であるというデメリットもありますが、広く開放的で、なによりも家事や移動がとても楽というメリットがあります。年を取ってからの家事、特に掃除や洗濯を干す作業は、二階建てだと移動が大変ですが、平屋だと比較的簡単に行うことができます。私たちの周りには物があふれていますが、最近ではミニマリストといった人たちによる、できるだけ少ないものでくらすという生活スタイルも見直されてきています。物を少なくし、大好きなものだけに囲まれて暮らす暮らし方には、平屋のようなコンパクトな空間を提供するデザインがお勧めです。プライバシーは確保しづらいですが、少ない人数での生活ならばむしろ、人の気配を感じながら生活できるデザインだといえます。平屋は、伝統的な日本家屋にも多く、和風なイメージがありますが、実は海外でも多いデザインです。広いウッドデッキやカラフルなサイディングで、クラシカルなアメリカの雰囲気を出すことができます。
平屋といってもそのデザインによって、利用方法は様々です。とんがり屋根のように、屋根を高くとれば、小屋裏の部分を有効利用することができます。赤い外壁やレンガ作りの煙突などで、北欧風の平屋を演出することもできます。もちろん、最近ではまきストーブも人気なので、煙突もフェイクではなく実際に使えるものがお勧めです。エントランスに広いウッドデッキを設けるなど、洋書にもよく掲載されるスタイルです。ウッドデッキは庭と家とをワンクッションおいて自然につなぐ役割をしますので、自然を身近に感じながら生活することができ、とても開放的です。平屋は、二階建てに比べて構造が丈夫なので、家の内部に柱があまり必要でなく、デザインの自由度が高いといえます。
広い開口部を取ることができるので、大きな窓など思い切ったデザインにすることができ、このようなデザインはおしゃれなカフェなどでもよく見かけます。一方で、開口部が多いため、また生活範囲が、外部から見える場所になるため、防犯への配慮が必要です。浸水など災害時には、逃げる場所がなくなってしまうので、洪水警戒区域では注意が必要です。